はじめに
誤解2:職場復帰すると家計が元に戻る?
産休・育休中は収入が落ちて家計が厳しくなっても「職場復帰すれば、家計は休業前のように戻るはず!」と期待していませんか?
残念ながら、職場復帰後も家計状況が改善しないこともあるため、楽観視するのは危険です。子どもが生まれると自然と働く時間が制限されるため収入は下がりやすく、生活費や保育料で最低限必要な支出は増えます。さらには、教育費やマイホーム資金など、将来に向けて貯蓄の必要性も上がります。
特に短時間勤務で復帰する人や、休業前は残業代や賞与の割合が高かった人、高額な保育料がかかる人、働くことで被服費や交際費、食費などが上がると予想される人などは、注意が必要です。
産休・育休によって予想される家計の変化は次の表の通りです。家庭による差が大きいので、自分家の場合は収入・支出・必要な貯蓄がどう変わるのか、具体的な予想金額を考えてみると良いでしょう。できれば表計算ソフトや家計ノートなどに情報を整理して、夫婦で内容を共有するのがおすすめです。
誤解3:高額な教育費が必要?
産休・育休中は、教育費の貯め方を夫婦で計画することも大事です。必要な教育費は1,000万円や2,000万円だとか、高額な数字を耳にするかもしれませんが、これは平均的な教育費を合計したもので、進学先が国公立か私立かでも大きく違ってきます。
最低限かかる教育費だけに注目すれば、小学校から高校まで公立の場合、学校の授業料や教材費、給食費などで月平均1~2万円ほどと、それほど高くはありません。
ただ、大学進学にかかるお金は低くないので、高校3年生までに300万円~500万円ほどのまとまった貯金を貯めることを目標にしましょう。貯金300万円は、国からもらえる児童手当(合計約200万円)に加えて、自分たちのお財布から毎月1万円を貯金していけば達成できる金額です。
教育費の平均金額が高くなる原因は、習い事や塾、部活動などにお金をかけるためです。いくら子どものためと思っても、夫婦で教育方針についてよく話し合い、家計に無理が出ないよう、財布の紐は緩めすぎないことが大切です。