はじめに

税制優遇を受けるには「10年以上」がキーワード

個人年金保険の保険料は生命保険料控除を受けることができるため、その分税金が安くなります。ただし、それには以下の通り3つの条件すべてを満たす必要があるのです。

1. 年金受取人が契約者本人またはその配偶者であること
2. 保険料払込期間が受け取るまでに10年以上あること
3. 年金の支払いは受取人が原則として満60歳に達したとき以後開始し、かつ10年以上の期間にわたって行われること

保険料払込期間を10年未満、あるいは一時払いにしてしまうと生命保険料控除を受けることはできません。控除を受けると、どのくらい税制メリットがあるのでしょうか。具体的にJA共済の年金共済を例にみてみましょう。例えば、55歳から10年間保険料を納めて65歳から受け取る場合、毎月の掛金2万円(年間24万円)に対して最低保証年金額は約24.1万円です。

受け取りは、10年間の確定保証になります。支払いと受け取りの期間は10年、Aさんが契約者であり受取人ですから生命保険料控除の条件はクリアしています。Aさんが支払う年間保険料24万円に対して控除額は4万円であることがわかります。以下の表は、年間の支払保険料と控除額の一覧です。年間8万円を超える保険料を払うと控除額の上限4万円を利用することができます。

勘違いしやすいのですが、「控除額4万円」はAさんの課税対象の所得より4万円差し引くことであって、税金が4万円安くなることではありません。税金を算出するには、課税対象の所得に対して所得に応じた税率をかけるルールがあります。Aさんの年収は約600万円、所得税率20%で計算すると所得税8,000円(4万円×20%)が少なくなります。

なお、住民税の所得控除限度額は2万8,000円で軽減額は2,800円(2万8,000円×10%)、所得税と合わせて合計1万800円の税金を少なくすることができます。10年間で計算すると合計10万8,000円の節税額ですが、所得税率20%が10年間続く場合に限ります。もしも60歳以降の給与が下がった時には所得税は10%や5%に下がる可能性もあるので、60歳以降の働き方も含めて考えておきたいところです。

肝心の年金額についてですが、払込保険料とほぼ同額です。個人年金保険に加入することで大きく増やすことはできません。銀行預金で積立をするのと大差ありませんが、生命保険料控除で税金を安くできるのであれば、銀行預金にしておくよりはよいかもしれません。

ただし、万が一生命保険会社が破綻してしまった場合には契約時に約束した年金額は削減されてしまうこともあり得ます。銀行預金であれば1つの金融機関で元本1,000万円までとその利息等が保護対象のペイオフといわれる仕組みがあります。

[PR]保険だけで大丈夫?子供、両親といったご家族だけでなく、自身の老後に必要なことを準備しましょう