はじめに

東証・金融庁も対応を検討、今後は取り扱いが変わってくる可能性も?

上記の通り、長期では思うようなパフォーマンスが期待できないレバレッジ型のETFですが、主な活用が長期投資と考えられるNISA口座でレバレッジ型のETFを購入する投資家が一定数存在するなど、誤った使い方がされているケースも見受けられます。

このような事態を踏まえ、東証・金融庁も対策を打ち始めました。東証はこのようなリスクの高いレバレッジ型の商品をETFの分類から外す方針を固めました。また金融庁も投資家に向けてコメントを公表、さらに内閣府令の一部を改正し、該当商品の広告・説明義務を強化、レバレッジ型ETFの信用取引にかかる委託保証金を従来の約定代金の30%の基準から引き上げを検討するなど、具体的な誤認防止策の実施へと動いています。

今後は、業界として特に初心者が使い方を間違えないようにする取り組みが増えてくるかもしれません。

適切な使い方を見つければうまく活用できる

レバレッジ型のETFは長期で用いるには適切ではなく、誤った売買を行うと思わぬ損失につながる可能性があります。一方で、短期でうまく活用できれば利益につながる可能性もあり、またインバース型の商品であれば買いのポジションに対して急落時のヘッジにも使うことができます。

確かに、指数に連動するタイプのETFは比較的なじみがある日経平均やTOPIXが投資対象ですから、日本経済の先行きに投資しているとも取れます。個別銘柄を選べない人にとってはイメージしやすい、入りやすい商品であることも事実です。

どんな商品でも、適切な使い方は存在します。今後進むことが予想されるリスクの高いETFから投資家を守る取り組みは、ETFの認知度の向上、ならびにETFを正しく使いこなせる投資家が増えるきっかけにもなるのではないでしょうか。

<文・Finatextホールディングス アナリスト 菅原良介>

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