はじめに

レバレッジ型ETFは個人投資家に人気!一方で減価には注意

続いては、指数に連動するETFと同様の性質をもち、リスクは高くなるものの値動きが大きいため人気があるレバレッジ型のETFについて見ていきましょう。

急激な相場下落時には逆張りを好む個人投資家がリバウンドを狙って日経平均の値動きの2倍変動があるレバレッジ型ETFを積極的に買い入れる場面もあるなど、活用される場面も広がってきています。一方で、特徴としては短期取引には向いているものの、長期投資には向いていないと言われています。これはどういうことでしょうか。

レバレッジ型のETFは対象の指数の値動きのレバレッジ倍の値動きを1日で達成するように運用されています。例えば指数が+1%動いた場合、レバレッジ型ETFは+2%変動します。しかし運用期間が長くなり、特に上下に動く相場ほど、指数の動きに対し、レバレッジETFのパフォーマンスがレバレッジの比率通りの結果とはならなくなってきます。

簡単な例を使って見てみましょう。指数が1日目に20%下落、2日目に25%上昇したパターンについて考えます。指数の値動きを考えると、2日間の変動の結果、2日目の終値は基準日と変わらずになります。一方で指数の倍の値動き、つまり1日目は40%下落、2日目は50%上昇したパターンを見てみると、変動の結果、2日目の終値は基準日から10%下落となっています。これはあくまで一つの例ですが、2日以上の値動きが起こると、パフォーマンスにずれが出てくるイメージは湧くのではないでしょうか。

実際に年初からの日経平均株価の値動きと、日経平均の倍の値動きをするレバレッジ型ETF、日経平均が1%下落すると2%上昇するダブルインバース型ETFの3つの値動きを見て見ると、顕著な違いが見て取れます。7月1週目までのパフォーマンスを見ると、日経平均は年初来+2.5%であるのに対し、レバレッジ型ETFは+4.4%、ダブルインバース型ETFは-16,2%となっています。

レバレッジ型ETFの期待されるリターンは日経平均のリターンの倍の約+5%に対し、+4.4%と10%ほどアンダーパフォームしています。ダブルインバース型に至っては上昇の時間が長かった相場ではあったものの、期待されるマイナスは5%ほどであるのに対し、実際はそれを大きく下回る約16%の下落となっています。

約半年の値動きでこれだけ違いが見られることを踏まえても、長期的な上昇・あるいは下落を見越してレバレッジ・インバース型のETFに投資をすることは、あまり効果的でないことがわかります。

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