はじめに

教育費の確保が最優先

ライフイベントの優先順位として最優先すべきは、教育費の準備です。お子様の進路計画については書かれていませんが、今後、就学を迎えて、学費以外にも、習い事や塾代がかかるようになります。現在の教育費は5万円です。このうち保育料が含まれているという前提でお話します。

保育料が減額され、その後卒園して保育料がなくなったあとは、払ったつもりで保育料分を貯蓄に回しましょう。小学1年生から高校卒業後まで毎月3万円を積み立てれば、約430万円が貯まります。途中、進学する学校が私立になったとしても、積み立て分から取り崩して利用できます。

お子様が将来、どのような進路を望まれるのか今はわかりませんが、相談者様がお子様の進路希望についてどこまで希望通りにされたいのかなど、ご家庭の方針を考えておかれてはいかがでしょう。そして、大学進学までの教育費が必要と考えた場合は、そのための資金の準備をしましょう。

もし教育費が不足すれば、ほかから資金を工面しなければいけません。相談者様が教育ローンを借りる、お子様が奨学金を借りる、あるいはどちらも必要になるかもしれません。借金をすれば返済をしなければいけない分、貯蓄をする機会が失われますので、ご家庭で最大限の準備ができるように計画を立てましょう。

老後の準備は現状維持で

老後の準備については、iDeCoなど国の制度を活用されていらっしゃると感じます。退職金も大まかにでも把握ができていらっしゃるので、収入の範囲の生活にシフトができそうかどうか、シミュレーションをしてみてください。

例えば、退職金が1,500万円で65歳から90歳までの25年間で割り算すると、1年に取り崩しができるのは60万円なので、ひと月では5万円です。老齢年金の見込額は50歳になれば、ねんきん定期便で確認できますので、その年金額を毎月の金額に引き直してみて、ひと月分の生活費を試算してみてください。

仮に、ひと月が15万円だったとしたら、15万円の生活スタイルにシフトができるかどうかシミュレーションしてみましょう。毎月の生活費のほかに、加齢に伴う費用も考えておく必要がありますから、退職金以外の資産を毎月の生活費に充てるのは避けましょう。また、定年時に健康であれば、アルバイトをして現金収入を得ることも可能です。

お子様がいらっしゃれば、教育費の準備が優先され、ご自身の資金準備は後回しになりがちです。それでも、相談者様は老後のためのご準備をきちんとすすめていらっしゃいます。教育費はかかる期間をあらかじめ知ることができる費用です。だからこそ、準備もしやすいと思います。お子様が経済的に自立されるまでが子育ての1つ目のゴールだと思いますので、まずはそこを目指しましょう。

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