はじめに

住宅費は購入でも賃貸でも人生で大きな支出です。今回は、資産管理に大きく影響する「住宅」についての管理術を紹介します。

■住宅購入と賃貸どっちが得?への考え方
■ 住宅購入のポイント
■「マネーフォワード ME」で住宅の価格を把握
■住宅ローンの見直し


住宅購入と賃貸どっちが得かという論争

住宅費は、教育費、老後生活費とともに、人生の三大支出の一つに数えられる非常に大きな支出です。30歳の人が100歳まで寿命があるとして、仮に賃貸で8万円の家賃を払い続ければ、8万円×12ヶ月×70年で、6,720万円になります。この金額に、引越し代(敷金・礼金・仲介手数料・引越し費用)や、火災保険、更新費などが追加で発生します。

賃貸ではなく、住宅購入する方も多いでしょう。その場合も、住宅ローンという大きな負債を抱える場合が多いと思います。

賃貸が良いか、住宅購入が良いかの議論は、神学論争さながら色々な立場からメリットとデメリットが語られています。結論は「買った方が良いか、買わないほうが良いかは、その人の生き方と物件による」という事になります。

今後空き家数が増えていくことを考えると、住宅購入は不動産の再販価格(リセールバリュー)が下がったり、賃貸に出すにしても、客付けが出来ず収入化が難しくなる可能性があることや、固定資産税や修繕費用などがかかることからも、「持ち家は資産が減りやすい」という観点でお薦めしない人もいます。

一方賃貸では「生涯家賃を払い続ける」ので、特に年金暮らしになる老後に家賃がかかり続けることへ不安を感じる方もいます。

住宅購入のポイント

住宅購入する場合に、押さえておきたいポイントは以下の通りです

(1)収入の中から無理なく支払える金額かを考える
住宅費は手取り収入の25%以下が一つの目安になります。収入の35%までを目安という話もありますが、これは「銀行が貸してくれる」上限の金額として考えた方がよいでしょう。住宅ローンを借りられることと、無理なく返済できることは違うので注意が必要です。

また、住宅ローンの返済終了時が70歳以上になっている場合があります。返済終了が80歳くらいでも、ローンを貸してくれることはありますが、いつまで働くのかをしっかりとイメージして無理の無い年齢で返済できるよう計画を立てましょう。

(2)ライフイベントの変化を考える
自宅を購入する場合は、家族構成がある程度固まってからがよいです。子供は1人だけと思っていたが、2人3人と増えた場合に間取りが合わなくなってしまうケースもあります。また、住宅を購入したけれど、老後の生活には合わない(広すぎる、階段移動が辛い)こともありえます。

今どのような生活がしたいかと、数年後、数十年後の家族の構成や生活を考えてバランスを見て購入すると良いでしょう。

(3)リセールバリューを考える
住宅を購入したからと言って、一生その家に住み続ける必要はありません。ライフステージが変化したり、家族構成が変われば、住み替えた方が良い場合もあります。

その場合に購入した住宅は、売却するか、賃貸に出して「大家業」を始めるという選択肢もあります。自分たちは違う家に住むことになります。

どちらの場合も、「多くの人が住みたいと思うか」が重要になります。住宅の価値を決めるのは築年数や広さ、間取り、駅からの距離や立地が影響します。

販売は、購入したときよりも高い値段で売れる場合もあれば、売却価格では住宅ローンの残高を返済できず負債が増えてしまう場合もあります。

このリセールバリューは非常に重要です。住宅ローンの残高が、その時の売却価格=リセールバリューより多ければ「債務超過」になってしまいます。

購入した住宅のリセールバリューが、住宅ローンの債務より多いか少ないかはしっかりと把握しておきましょう。

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