はじめに

物価上昇時には目標運用利回りの見直しが必要!

今回の試算は、物価上昇率は考慮せず、年間370万円の支出をベースに老後に必要な資金を計算しています。ここ20年程度、物価が大きく上昇することはありませんでしたが、景気や為替、気候変動など、様々な要因で物価が上昇する可能性もあります。突発的な要因ではなく、長期的に物価上昇傾向がみられる場合は、物価上昇を加味した運用計画の立て直しが必要です。仮に、2.0%程度の物価上昇率が継続的に続く場合は、目標利回りが2.5%なら、物価上昇率分を足して、4.5%を目指す必要が出てきます。

物価上昇だけでなく、高齢化による社会保障費の増大で、税金・社会保険料の負担も、さらに、上がる可能性があります。

今の生活水準を維持するためには、物価上昇や税金、社会保険料の負担増などによる家計への影響を踏まえて、目標利回りも、定期的に見直しもするようにしましょう。

実質目標利回りと税込み目標利回りの確認を

また、通常、運用益に対して約20%課税されますが、今回の試算では考慮しておりません。つみたてNISAは20年間非課税、iDeCoは、退職金扱いとなり、一時金で受け取る場合は、他の退職金と合わせて、一定金額までは非課税となっています。それ以外の課税口座で運用しているものについては、目標利回りに税金分を上乗せしてください。なお、運用益に対する税率引き上げの話しも出てきているので、今後の動向にも注目です。

利回り

前提条件が変わればシミュレーションも変わる

今回、概算で計算させていただいたキャッシュフローをもとに、アドバイスさせていただいております。前提条件が変わればシミュレーションにも大きく影響します。あくまで、老後資金計画を立てる際の参考としていただければ幸いです。

専門家に、より正確なプランニングの作成をご希望の場合は、お住いの地域のFPに相談されることをお勧めします。

連載「みんなの家計相談」でお悩み募集中!読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答えます。相談はこちらから。

この記事の感想を教えてください。