はじめに
予定より早く学費を支払う、貯金以外の手段
ご相談者のように、推薦や総合型選抜入試に合格し、通常より早い時期に学費が必要となり、焦るというご家庭も、ある程度いらっしゃいます。奨学金の予約採用を申し込んでいたとしても、秋に必要になる学費の支払いには間に合いません。貯金で支払うことができない場合、やはりローンを頼るしかありません。
ローンには国の教育ローン、銀行など金融機関の教育ローンがあります。国の教育ローンは通常ですと審査まで10日ほど、融資実行まで10日ほどの計20日ほどでお金を借りることができるとされています。銀行等でも、審査から貸出まで、口座を持っている人の場合は2週間ほどかかります。混雑具合などにより、かかる期間は変動しますから、できれば慌てることがないよう、必要となる2〜3カ月前に申込をすることが理想です。
どうしても間に合わない場合は、カードローン、キャッシング等でお金を準備するしか無くなりますが、金利が高く、教育費のような高額を借りるのには不向きです。これは最悪の手段として考えておきましょう。やむを得ず利用するならば、金利の低いローンを借りた後、すぐに早期完済するようにしましょう。
また、奨学金の予約採用が決定している場合、「ろうきん」が「入学時特別増額貸与奨学金」を担保に入学前にお金を貸してくれるという制度をご存知かもしれません。ですが、奨学金の採用は12月過ぎに決まるので、今回のような早期合格者は利用できません。
奨学金を借りる場合は、子どもと一緒に返済プランを立てること
教育費の準備は、多くの人がお子さんが小さい時期から取り組んでいます。ただ、家計の事情により思うように貯まらない場合もありますよね。そういう時は、お子さんも交え、どのように学費を払っていくかを相談してもいいでしょう。
大学生を見ていると、裕福で、学費も生活費もまるまる親が負担してくれているという子がいる一方で、奨学金を借り、自分のアルバイト代も学費と生活費にして何とか通っているというお子さんも多数います。
奨学金は子どもがする借金ですが、金利も安く、ローンを借りるよりも返済負担が少ないもの。卒業後の支払い金額をシミュレーションし、将来的な社会人1年目の収入の予想から、返済に無理はないかを検討して金額を決めましょう。その金額が学費として不足するなら、アルバイト代を足したり、親も毎月学費用の積立をするなどして工面できるよう、ご家庭に応じた対策を考えていきます。
大学生では、日本学生支援機構の1種、2種の奨学金の貸与を受ける学生が多いですが、そのほか大学独自の貸与型、給付型の奨学金、企業が就職を前提として募集する給付型の奨学金など、複数の奨学金の募集があります。競争率は高いでしょうし、家計状況、成績などの条件などクリアすべきこともあると思いますが、それらを調べ、利用を検討することも良いと思います。