はじめに

投資信託の人気は受益権口数の増減で見る

でも、ここで注意しなければならないのは、この10年間で株式市場全体も大きく値上がりしたということです。

2011年11月1日の日経平均株価は8835.52円でした。それが2021年10月1日時点では2万8771.07円ですから、実に3.25倍にもなっています。パーセンテージでみると、日経平均株価は225.62%の上昇。対してこのファンドの純資産総額の増加率は72.12%でしかありません。ちなみに、この間の基準価額は209.46%の上昇でした。

ここで2つの事実が分かります。まず、このファンドの運用成績は、市場平均である日経平均株価に対して劣後していることです。

次に、基準価額が209.46%も上昇しているにも関わらず、なぜ同じ期間中の純資産総額は72.12%しか増えていないのか、ということです。

もう、お気づきの人もいると思いますが、このファンドは解約額が設定額を上回る状態が恒常化していて、資金流出が止まっていないという大きな問題を抱えています。

これは受益権口数を計算すれば簡単に分かります。2011年11月1日時点の受益権口数の概算値は1,981億3,400万口でした。ちなみに受益権口数は、純資産総額を1口あたりの基準価額で割れば、概算値を計算できます。

では、2021年10月1日時点の受益権口数はどうかというと、1,102億400万口です。約10年の間に、このファンドの受益権口数は879億3,000万口も減少したことになります。

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