はじめに

過去の運用成績が参考材料になることもある

騰落率が投資信託選びの判断材料にならないのだとしたら、どうすれば良いのでしょうか。それは個々の投資信託の運用成績よりも、投資先となるマーケットの将来性を重視することです。

もちろん騰落率をベースにした運用成績を完全無視しても良いということではありません。違う形で過去の運用成績を参考にすることもあります。ただ、投資信託を選ぶ最初のスクリーニング基準は、「騰落率ランキング上位の投資信託」ではなく、「将来、有望なマーケットはどこなのか」ということなのです。

「米国経済は10年後も20年後も安定的に成長する」と思うなら、米国の株式市場に投資する投資信託を選べば良いですし、「どの国が成長するのかは分からないけれども、世界人口はこれからもどんどん増えていくから、世界全体の株式市場に投資しよう」と考えているのであれば、全世界株式に投資する投資信託を選べば良いでしょう。

過去の運用成績を参考材料にするのは、ここから先の話です。過去の運用成績は未来を語るものではありませんが、その投資信託がどの程度のリスクを内包しているのかを、大まかにではありますが、把握できます。この点において、過去の運用成績は投資信託を選定する際の判断基準のひとつになります。

実際に、どうすればそれを判断できるのかについては、次号で説明しましょう。

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