はじめに
Slack、LINEからの打刻は急増
次に外部ツールと連携して打刻する方法を見ていきます。ビジネスチャット「Slack」とジョブカンを連携し、Slackのチャンネル上で打刻するSlack打刻数は、2020年4月~2021年8月で2.1倍に増加。大阪でも同期間で2.46倍となりました。一都三県と大阪を除いた地域でも1.58倍に増えており、全国的にも顕著な変化が見て取れました。
チャットツール「LINE」と連携させるLINE打刻数は、東京都での1日あたりの打刻数が2020年4月~2021年8月で1.75倍に増加。こちらは、緊急事態宣言期間中か否かに関係なく、その打刻数は右肩上がりを維持しています。なお、大阪では1.13倍に増加し、その他の一都三県、大阪を除いた地域では1.37倍に増加。LINE打刻についても全国的に増加傾向にあることがわかりました。
この背景について、同社は、「1度目の緊急事態宣言以降、全国的にモバイルやチャットツールを利用した打刻方法の増加傾向が見られることから、緊急事態宣言をきっかけに、働き方の自由化が進んだと言える」と分析しています。
フル出勤が減らないのはなぜ
コロナ禍が続く中、テレワークが定着した企業とフル出勤のまま変わらない企業とが二極化しています。同社のマーケティング担当者は、その背景にはさまざまな要因があると言います。
「まずはインフラ面の整備です。在宅で仕事できる環境がない、業務上必要なデータが紙の状態でオフィスにあるといったケースでは、そもそものインフラ導入や必要書類のデータ化などから始める必要があり、大幅に業務フローを変えなくてはなりません。そうすると、リモートワーク移行のハードルが高くなっているようです」
「また、上層部や管理職など社内の一部は出勤せざるを得ない企業も少なくありません。一部だけがテレワーク可能となると、社内で不公平感が生まれたり、オフィス勤務者とテレワーク勤務者とで社内ルールを統一しなくてはいけなかったりという労力が必要になるので、一部の企業では導入に消極的になってしまうのではないでしょうか」