はじめに
自律神経研究の第一人者である小林弘幸教授によると、人間は、自律神経のパターンによって4つのタイプに分かれるそうです。自分はどれに近いかチェックしてみましょう。そしてそれぞれのタイプが、仕事や生活の質をよくするためにはどんな工夫をしてバランスを取ったらいいか、小林教授にアドバイスをいただきました。
自律神経のパターンで4つのタイプに分かれる!
「あの人はいつも元気でデキる人だよね」「あの人はのんびり屋さんだね」「あの人ちょっと頑張りすぎてない?」「あの人大丈夫?いつもぐったりしているけれど」……
といったように、人にはそれぞれタイプがありますよね。実はこのタイプ、もしかしたら自律神経に関係している可能性もあるのです。
小林教授によると、自律神経の交感神経と副交感神経の高低のパターンは4種類あり、それぞれ次のような特徴を持つそうです。
1.「いきいき能力発揮タイプ」:交感神経と副交感神経が両方とも高い
・何事にもやりがいを感じるし、自分には成果や結果を出せる力があると感じる。
・食事の時間になると空腹を感じ、いつも食事がおいしい。
・夜はストンと眠ることができる。
・一晩寝れば疲れがリセットできる。
・冷えを感じることはない。
2.「がんばりすぎタイプ」:交感神経が高く、副交感神経が低い
・仕事や家事、人間関係のストレスで一日中イライラ、ピリピリしている。
・失敗することを考えると不安になるので、集中して物事に取り組んでいる。
・胃もたれや胸やけすることが多い。
・夜、布団に入ってもなかなか寝付けない。
・入浴後も、少し経つと手足が冷えてしまう。
3.「のんびりタイプ」:交感神経が低くて副交感神経が高い
・何をやるにも億劫でやる気が起きない。
・食べてもすぐにお腹が空いてしまう。
・夜しっかり眠ったはずなのに昼間眠くなることがある。
・疲れるとすぐ眠くなり、日中だるいことが多い。
・冷えは感じないが、ポカポカして眠くなることが多い。
4.「ぐったり無気力タイプ」:交感神経と副交感神経が両方とも低い
・やる気や覇気が感じられず、いつもぐったりしている。
・身体がついていかず、仕事がままならない。
・食欲がないor食べるのがやめられない。
・寝つきが悪くて、眠りも浅く、途中で起きることもある。
・手足が冷えて眠れない。顔色も悪い。
交感神経と副交感神経の違い
そもそも、交感神経と副交感神経の違いとは一体何なのでしょうか。小林教授に基本的なことを教えていただきました。
「自律神経は、心臓や腸、胃、血管などの臓器をコントロールする神経のことです。
交感神経と副交感神経は、それぞれアクセル、ブレーキの役割に例えられ、互いに綱引きのように働いて、臓器をコントロールしています。
例えば血管でいうならば、交感神経は血管を収縮して心拍数や血圧を上げますが、副交感神経は血管を拡張させて心拍数や血圧を下げようとします。
緊張する状況では交感神経が優位になり、心拍数や血圧は上がりますが、夜間などに副交感神経が優位になると、心拍数や血圧の数値が落ち着き、リラックスした状態になります」
小林教授によると、この交感神経と副交感神経は両方とも高いレベルでバランスよくキープされているのがベストな状態なのだそうです。
日中は交感神経が少し高い状態、夜間は副交感神経が少し低い状態になるのが理想的だといいます。