はじめに

2021年11月18~20日、“明日から実践できる、貯める・増やすコツがここにある”をテーマに、オンラインイベント「マネーフォワード Week」が開催されました。

18日に行われた「あなたの人生を豊かにする米国投資入門~積立から個別株まで~」では、マネックス証券株式会社 チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎氏が、最近注目を集める米国株投資について、その魅力や投資を始める際のポイントについて講演しました。

本記事では、内容を一部抜粋・編集して紹介します。


過去40年、米国株はどう動いたか

株式投資というと、日本人の多くはまず日本株をイメージします。しかし、既に投資をしている人は、何となく米国株の方が日本株と比べてパフォーマンスが高いらしいと感じているのではないでしょうか。結論を申し上げるとそれは事実です。

1979年末から今年の10月末までの日本株と米国株のパフォーマンスの推移を見ると、日経平均は4倍になっていますが、米国を代表する株価指数S&P500は40倍になっています。

その間、1987年にブラックマンデー、2000年以降にITバブル崩壊、2008年にはリーマンショックなど、米国発の世界的な危機が数多くありました。それでも、2021年11月にも史上最高値を更新し、高いリターンをあげることができています。つまり、米国株は、長期投資ができる市場であると言えるのではないかと思います。

もう少し短い期間で日米の株式市場を比較してみます。1989年末を100として指数化した日米の株価指数の推移を見てみましょう。日本株は約30年、上がっては下げの繰り返しをずっと続けています。

上げ下げを繰り返す市場では、買ったとしてもいつ売るのかを常に心配しておかなければなりません。もちろん日本株でも長期的に保有すべき素晴らしい銘柄があると思いますが、日本株の市場全体を見てみると、長期投資よりも、トレーディングに向いているマーケットであったと言えると思います。

個別株についても見てみましょう。これは1990年の1月から昨年末までの日米で最もパフォーマンスの良かったトップ10銘柄のリストです。下が日本株、上が米国株です。

日本株で最も上がった銘柄がキーエンスで、5,147%です。もちろん素晴らしいですが、米国株で最も上がった銘柄がユナイテッドヘルスで109,400%も上がっています。日米の株価指数のパフォーマンスの差も大きいですが、個別銘柄の長期投資では銘柄によっては、過去30年でもっと大きなリターンを得ることができたといえるでしょう。