はじめに
地方税は続々とキャッシュレス決済に
さて、キャッシュレスの流れは税金や社会保険料にも及んでいます。
すでに、住民税がスマートフォンアプリを使ったQRコード決済で払える自治体もありますが、今後は順次、増えていく予定です。
eLTAX(エルタックス)=地方税ポータルシステムでは、インターネット上で住民税などの地方税の申告・納税ができますが、今後はさらに、申告・納税できる対象税目が拡大します。
また、スマートフォンアプリや、クレジットカードなどでも払えるようになります。
キャッシュレス決済が普及し、多額の現金を持ち歩かない人も多いなか、スムーズな納税ができるよう、システムが整えられていきそうです。一方、パスワード管理や支払履歴の確認など、より一層のセキュリティ意識も必要になるでしょう。
確定申告はe-Taxでさらに便利に
では、国税である所得税はどのような動きになっているでしょうか。
所得税は、会社員であれば給料から源泉徴収され、年末調整によって納税額の過不足を調整して終了します。しかし、フリーランスなどの個人事業主や、会社員でも医療費控除などの利用があれば、確定申告が必要になります。
確定申告は、すでにe-TAX(イータックス)が導入されています。個人事業主の青色申告納税では、e-TAXのほうが所得控除が大きく節税効果があり、利用促進に一役買っています。
e-TAXはスマートフォンで申告・納税ができますが、マイナンバーカードを取得しマイナポータルと連携すれば、ふるさと納税、生命保険、地震保険、そして住宅ローン控除関係も自動入力が可能。医療費は、2021年9月以降のものであれば反映されます。
成人年齢が18歳に変更
2022年4月から、成人年齢が20歳から18歳になります。
成人になるとさまざまな契約が親の同意なしにできますが、その責任も同時に引き受けることになります。法的に自分一人の判断でできることでも、信頼できるアドバイスは年齢に関係なく大切でしょう。
たとえば、保険の加入、クレジットカードの申し込み、携帯電話の契約など。一般NISA、つみたてNISAの口座は、2023年1月から18歳以上が開設することができます。投資判断も18歳からすることになります。
2022年の税制改革は、「成長と分配の好循環」「コロナ後の新しい社会の開拓」がコンセプト。住宅ローン控除は、控除率は下がったものの本来の主旨をふまえれば損するものではなく、エコ住宅が取得しやすいものになっています。
キャッシュレス・デジタル化は今後も進みますが、便利である一方、自分でもセキュリティ管理をする意識も欠かせません。時代の移り変わりとともに、お金や情報とのつきあい方も変えていく必要がありそうです。