はじめに
え、自立なんてもうしてますよ……と思った皆さん。
私たちは家族や仕事、さまざまな集団に所属する中で、持ちつ持たれつの関係にあります。お金のやり取りがある関係になかったとしても、万が一のときに保障をしてくれたり、助け合う関係もあります。
そのような中、自立とは所属する集団に対して、過度に依存しすぎたり、与えすぎたりしないような状態を指すのかなと思います。ドライに見てみれば今、所属している職場や暮らしの環境で自立できていると胸を張って言える人は案外少ないのではないでしょうか。
こんな風に偉そうに書いている私も、本当に自立して暮らせているな、と思ったのは30を過ぎてからな気がしています。
18歳で本当に大人になる社会に
2022年4月より、成人年齢が18歳に引き下げられます。これからは、高校を卒業するころには人間を大人として扱い、契約する能力が与えられることになります。それは例えば、18歳で起業をして単独で資金調達することもできますし、詐欺に遭って借金を抱えてしまう危険性もあるのです。
ニュースでは責任のマイナス側の話が強調されがちですが、本来これはフラットに、人生の自由をより早く実感できる前向きな話でもあります。
責任の重さと自由を天秤にかけると、お金を管理する能力と、意思決定のために正しく情報を手に入れる能力があるかで、見える世界が変わってきます。読者の多くは成人になってから年数が経っているかもしれませんが、自分たちが持っている選択肢と、それを履行するための責任を捉えなおすと、大人になることって、自立も可能にできることなんだな、と感じるのではないでしょうか。