はじめに
金融機関に勧められて投資信託を買う人が多い世代
最近はたくさんの投資信託関連情報が、インターネットで流されています。そうであるにも関わらず、なぜ高い購入時手数料を払って、同じ投資信託を、投資信託会社の直接販売ではなく、銀行や証券会社から購入しようとするのでしょうか。
ひとつ考えられるのは、投資信託は今でも「金融機関に勧められて購入する金融商品」だということかも知れません。
投資信託協会が定期的に行っている「投資信託に関するアンケート調査」によると、「投資信託の興味・関心・購入のきっかけ」は、「金融機関の人に勧められて」が圧倒的に高く、2020年調査では全体の40%を占めました。次いで「インターネットで見たり調べたりして」が25%、「投資信託に関する本を読んで」が12.5%となっています。
さらにこれを年齢別にみると、「金融機関の人に勧められて」という回答比は、20代が24.1%、30代が23%、40代が24.5%ですが、50代は36.3%に上昇し、60代は52.1%、70代になると61.5%にもなります。
つまり投資信託を販売している金融機関にとってシニア層以上の高齢者は、「いいカモ」にされているかもしれないのです。この年代の人たちは、直接販売を利用すればもっと有利な条件で投資信託を買えるのに、金融機関の言いなりになって、わざわざ不利な条件で同じ投資信託を買っているのです。それだけ金融機関に対する信用が厚い世代なのかも知れません。でも、だからといって自分から情報を取りに行かなければ、いつまでも高い手数料を払い続けけることになるのです。