はじめに

奨学金や借入にはどのような制度があるか

奨学金といえば、すぐに思い浮かべるのが日本学生支援機構の奨学金制度ですね。日本学生支援機構の奨学金について簡単に解説します。

日本学生支援機構の奨学金には、給付型と貸与型があり、貸与型には無利子(第一種奨学金)と有利子(第二種奨学金)のタイプがあります。奨学金の申込者も返還義務者も学生本人です。

比較的収入基準の緩やかな有利子(第二種奨学金)のタイプでも、生計維持者の収入金額が選考の対象になり、「生計維持者」とは原則として父母(2名)です。

相談者の家庭で夫婦の収入合計では、日本学生支援機構の奨学金制度の収入基準を超えていますので、奨学金の受給対象にはならないと考えられます。

その他、大学独自の奨学金や民間企業等の奨学金、給付型の奨学金などが充実してきています。民間企業等による奨学金には、明確な収入基準のないものもあります。

また各大学では、新入生を対象にした、受験前あるいは入学手続き前に奨学金の給付が約束される予約型の給付型奨学金制度が増えています。実際に受給するには入学試験に合格することが必要ですが、収入基準が緩やかな場合が多いのが特徴です。

もし、このような給付型奨学金を利用できるのであれば積極的に利用しましょう。

また、大学資金の借入については、教育ローンがあります。例えば「国の教育ローン」である日本政策金融公庫では、子ども1人につき上限350万円で金利は1.65%(2022.01現在)です。

将来、家庭の収入が急変する可能性がないとは限りません。実際に利用するかどうかは別にして、事前に情報を調べておくと万一の時に慌てずに済みます。

余裕資金を増やすために家計を見直す

子どもの希望が理系学部だったり、大学院進学の可能性があったり、浪人する可能性があったり、といろいろな可能性があることを考えれば、現在の家計の改善点を見直しておきましょう。

水道光熱費1万5,000円、通信費3,000円、お小遣いが2人で3万円などの部分は、堅実だと感じました。

ただし子どもが食べ盛りとはいえ、食費に15万円もかかっている点は改善ポイントです。妻も正社員で仕事をしているため、毎日夕食を作ることが難しいかもしれませんが、週末におかずを作り置きして、総菜の購入を減らす、外食の回数を控える、など考えてみましょう。

また「その他」の支出を合計すると23万円となり、いただいた資料の収支が合いません。毎月衣類5万円、雑費10万円が発生しているとは考えにくいですが、きちんと家計を管理して極力「使途不明金」をなくすことが大切です。

食費とその他支出を見直して、月々5万円を貯蓄に回せれば、それだけで年間60万円の貯蓄増になります。

下のお子さんが大学を卒業するころ夫が57歳、相談者が51歳。住宅ローンも完済します。それから投資を再開して本格的に老後資金を増やしても十分間に合うでしょう。

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