はじめに
審査の5つのポイントを解説
【1.継続的な安定所得と2.所得に対しての返済比率】
個人事業の場合、金融機関の多くが3年間の継続的な安定した所得があるかどうかを条件としています。少なくとも、直近3期が黒字であることが求められます。また、借入可能額を決定するための返済比率は、売り上げから経費を差し引いた「所得」で審査されます。個人事業の方の中には、税金対策のために経費を多く計上し所得を抑えている方もいらっしゃいますが、税金上のメリットはあっても、住宅ローンの審査上は不利となってしまいます。
一般的には、返済比率を35%に設定している金融機関が多いです。年間の返済額が3年間の所得平均額の35%以内であることがひとつの目安となります。
なお、医師や士業の方など、ある程度安定した収入が予想される業種については、審査基準が緩和されるケースもありますので、金融機関に相談しながら進めると良いでしょう。
【3.信用情報】
所得税や住民税などの税金や社会保険料などの滞納があると審査に大きく影響します。
また、事業用ローンや自動車ローン、クレジットカードのキャッシングなどの返済状況などの「信用情報」もチェックされます。もし滞納や債務整理などの履歴があると、審査が厳しくなります。
【4.物件の担保価値】
審査項目のひとつに購入する物件の担保価値も入ります。万が一、住宅ローンを返済できなくなった場合に備えて担保に入れるためです。築年数が古い物件などは、担保価値が低いことで住宅ローンが組めない場合もあるので注意が必要です。ご相談者の場合はそこまで築古ではなさそうですので、問題ないかと思われます。
【5.健康状態】
住宅ローンを組む際に、基本的には「団体信用生命保険(団信)」への加入が条件となります。団信は、住宅ローンを組んだ人が万が一亡くなったりした場合に、それ以降のローンの支払いが免除される保険です。健康状態が悪く団信に加入できない場合は、住宅ローンを組めません。その場合は、団信加入が条件でない「フラット35」が選択肢になりますが、団信に加入しない場合は、万が一の場合のそれ以降の返済について考えておかないといけません。