はじめに
変化した支出をきちんと把握しておこう
パートだけの収入から、自営業+パートとなりましたが、支出はどのように変わったでしょうか。家計というよりも、自営業の経費などが今回の悩みに影響しているのではないかと思えます。
場所代、仕入れ、広告費、勉強代など、業種により異なりますが、自営をするにもいろいろと経費がかかります。事業にかかるお金の中でこれらを清算し、収入分だけを家計に入れているのであればいいのですが、時々これらを家計とごちゃまぜにしてしまう方もいます。その場合、家計が非常にわかりにくくなってしまうので、気を付けたほうがよいでしょう。
また、週5でパートに入っていたということは、社会保険などもパート先で入っていたのではないでしょうか。自営業を始めるにあたり、勤務時間や給与面での条件が外れ、国民健康保険や国民年金保険料の負担が増えたのではないかと思います。
気が付かないうちに生活費以外の支出が増え、それがお金が貯まらない原因になっているのではないかと考えます。こういった支出も一度整理をし、やりくりの仕方を検討してみましょう。
社会保険に加入する働き方という選択肢も
ところで、自営業が収入の軸になるなら、社会保険は国民健康保険、国民年金保険となりますが、もう一度パート先の社会保険に加入する働き方をする選択肢はないでしょうか。現在のパート収入から見ても、結構な時間をパートに使われているのではないかと思います。このままの状態がもう少し続くのであれば、そこからもう少し働く時間を増やし、
・1週間の労働時間が20時間以上
・月の賃金が8万8,000円以上
・雇用期間が1年以上見込める(令和4年10月からは2カ月以上に)
・被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時500人を超える事業所(令和4年10月から常時100人超に)※
という条件を満たした働き方をし、健康保険、厚生年金保険に加入してもよいと思います。ご存知かと思いますが、これには国民健康保険、国民年金にはないメリットがあります。
国民年金には傷病手当金、出産手当金の制度がありませんが、会社の健康保険にはあります。また、厚生年金には国民年金に上乗せされる年金がありますし、遺族年金、障害年金を受けるような場合にも上乗せがあります。加入可能な年齢も70歳までと長く、加入して働くほど、年金受給額を増やすことができます。
今後、自営業のほうに力を入れ、そちらでやっていく可能性もあると思いますが、厚生年金は加入するほど将来の年金額を増やせますから、今のうちに厚生年金にかけておく、という考え方もできます。給与の手取り額は減るかもしれませんが、家計から支払う国保・年金保険料がなくなりますから、家計管理的には、スッキリするという面もあります。
※ 令和6年10月からは「常時50人超」に