はじめに

相談者の貯蓄で賄える?

ご相談者さんのねんきんネットの試算によると、月額15万円程度の年金収入が見込めるとのこと。60歳以降の生活費も16万円で試算していますし、これまでの生活の状況から見ても、ご相談者さんの場合、基本生活費は年金収入で賄えそうですね。

では、住居費用の上乗せ分ですが、仮に月額7万円として試算してみましょう。65歳から年金を受給し、90歳まで生きるとすると、7万円×12カ月×25年間=2,100万円となります。

もし、80歳を過ぎたあたりから老人ホームに入居するということになると、入居する老人ホームのグレードにもよりますが、80〜90歳までは月額15万円程度かかるものとして試算してみましょう。とすると、住居費用は3,000万円程度になります。この金額に加えて、上記でお伝えした、無年金期間の生活費、介護費用や医療費についても考えておきましょう。

現時点で貯蓄額が1,400万円、投資総額4,000万円あり、これらに加えて、個人年金保険、変額年金でもきちんと備えていらっしゃいます。ボーナスからも毎年100万円貯蓄し、つみたてNISA、iDeCo、投資信託積立などもしていらっしゃるので、パートナーの方と同居後も、現在の貯蓄ペースを継続できれば、老後も基本的な生活は問題なく送れるでしょう。これまで堅実に生活をしてきて、資産形成にも励んできたことが功を奏しているのではないでしょうか。

2人暮らしがうまくいくかのポイントは不測の事態への備え

ポイントは、パートナーの方が病気や介護になった時の費用負担と言えそうです。また、将来的にどうするのかはお2人が決めることですが、籍を入れずに同居するといった場合には、もし、どちらかが病気になって手術が必要になった時に家族として同意書にサインができないケースがあったり、どちらかがお亡くなりになった場合には相続権が発生しなかったりといったことがあります。不測の事態が起こった時の対処法についても話し合っておくといいですね。

年齢を重ねて、素敵なパートナーと出会えたことは本当に素晴らしいことだと思います。将来の見通しをしっかり立てて、充実した時間をお2人で過ごしてくださいね。

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