はじめに

暗号資産による寄付のメリットと注意すべきこと

このように暗号資産では全世界を対象に素早く寄付金を集めることができます。これまでも香港デモやミャンマークーデターなどの際には寄付の手段として暗号資産が注目されました。一方で、暗号資産による寄付を狙った詐欺が起きたり、暗号資産がテロ組織への支援に利用されたりするリスクもあります。これらのリスクは今後、各国当局によって対策されることでしょう。

国家間の対立によって国際的な資金移動が制限されている状況だからこそ、国や金融機関に依らない暗号資産による寄付が広がりを見せています。逆に国や金融機関に依らないからこそ、自身で寄付金を直接送る際には送り先や資金使途などをきちんと確認することが重要です。

ロシアが暗号資産、ビットコインを制裁回避に利用?

米国をはじめとするNATO諸国は、ロシアへの制裁措置を強化しています。そのなかでロシアは国際送金の仕組みを支える国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除され、海外との送金や貿易決済、投資行動が難しくなりました。さらにビザやマスターカードといった大手決済企業がロシアでの業務を停止し、ロシアは国際金融から孤立した状況に追い込まれています。

このような状況でロシアが制裁を回避する手段として、SWIFTに代わる中国の国際銀行間決済システムを利用するのではないかと言われていますが、これに並びNATO諸国では暗号資産を使った制裁回避が強く懸念されています。暗号資産の場合、金融機関を介さずとも資金を自由に移動することができ、ステーブルコインという形で米ドルなどの外貨にアクセスすることもできるためです。

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