はじめに

まずは家計の赤字の解消を

将来の資産形成を考える前に、まずはご自身でおっしゃっているように、家計を整えることが大切です。現状では、毎月4万円を超える赤字。そして、個人事業主ですから、会社員の方のようにボーナスで赤字を補てんできるわけではないので、貯金を切り崩して生活を維持しているのではないかと想像できます。これではやがて貯金は無くなってしまいますし、投資を始めるどころではありません。

費目ごとの金額は、ある程度把握されているのかもしれませんが、各費目で何にいくら使っているのかも把握し、その支出の必要性を考えてみましょう。

客観的に見ると、食費や通信費、日用品代、交際費、その他に含んでいるファンクラブ代や投げ銭などは、削減できる余地があるのではないかと思えます。それでも、ご自身にとって、お仕事にとって大切な支出であるという場合もありますから、あくまで客観的なご提案です。一度支出について振り返り、ご自分に合わせ、その要・不要を検討されてみてください。

支出を収入の中に納める支出コントロールは、急務であると思ってください。

生活防衛資金を貯めながら投資を考える

家計状況に加え、貯金額も投資を始めるには不足しています。投資を始める前には、生活防衛資金として、やりくり費と合わせ、生活費の7.5か月分~12か月分を最低限準備してほしいもの。ただし、この貯金の目安はサラリーマンに向け。相談者様は個人事業主で、仕事ができなくなった時に雇用保険などで収入をカバーされません。ですから、生活費の2年分くらいを準備しておくとよいかもしれません。

今の貯金額は、支出状況が収入の中に納まったと仮定し、生活費を23万円と見積もって計算しても、5か月分と少々しかありません。支出が改善したとしても、今後再び自粛期間となり収入が減ったりすると、回復するまで生活費を補填していけるかどうか、という金額だと思います。

もし、支出の改善ができ、余剰金が安定して出せるようになったなら、まずは貯金を優先しましょう。ただ、長期投資をして複利を狙っていくには、早くから投資を始めたいもの。その場合、貯金に余剰金の大部分を回し、生活防衛資金を作りつつ、その一部を投資に回し、併走させるやり方を検討していくのもよいでしょう。この先30年近く投資額を積み立て、運用していけることは、大きな強みです。

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