はじめに
日本の上場企業全体で見ると3月決算を採用している企業が最も多く、その発表は4月下旬から本格化します。しかし、2月決算を採用している企業の多い小売企業の12-2月期の決算発表はすでにほぼ完了しました。
マーケット全体への影響が大きいのは3月決算企業の決算発表ですが、いわばその前哨戦と捉えることができる小売企業の決算をチェックし、相場の先行きを考えてみましょう。
小売企業全体の決算内容
3月1日から4月14日の間に決算発表を行った、2月または8月決算の東証プライム市場に上場する小売企業の51社について、12-2月期の決算内容を集計しました。地域によってはまん延防止等重点措置が出るなど、小売業界にとっては引き続き逆風が吹く中での決算でしたが、どのような内容だったのでしょうか?
全体の概要は表にまとめたとおり、売上高・営業利益とも前年同期比20%弱の増加と、非常に悪かった前年の反動という側面はあるものの、堅調な決算だったと言えそうです。
なお、今年の12-2月期と前年の12-2月期を比べて増収となった企業が、37/51社(72.5%)、営業増益となった企業が38/51社(74.5%)、増収かつ営業増益となった企業も28社/51社(54.9%)となりました。