はじめに
10月から年収1200万円以上は廃止に
上記の金額は通常の児童手当が支給された場合ですが、所得が高い世帯は特例給付となり、一律5,000円の支給になります。扶養する子どもの人数などにより所得制限の基準は異なり、下記のようになっています。
ただし、今年の10月から年収が1,200万円以上の場合、児童手当が廃止になります。これまでは、所得制限の限度額以上に収入があっても5,000円の支給がありましたが、今後は、年収1,200万円以上になると、児童手当はゼロに。
高所得世帯であれば、月に5,000円の支給がなくなっても困らないだろうと思いがちですが、トータルで5,000円×12ヶ月×15年=90万円の児童手当をもらえる予定だったものがもらえなくなると考えるとインパクトは大きいのではないでしょうか。
なお、今回の児童手当の見直しで、支給の対象外となる子どもの数は約61万人と推計されています。手当の廃止で約370億円が捻出予定で、このお金は、待機児童対策として保育施設を整備する財源に充てられる予定だそうです。
また、注意したいのは、年収1,200万円以上の判断基準です。この年収1200万円の基準は世帯年収1,200万円ではなく、世帯の中で年収の高い人を基準に判断されます。
例えば、夫の年収700万円、妻の年収500万円の夫婦共働き世帯で世帯の合算年収が1,200万円以上の場合、これまで通り児童手当がもらえます。一方、夫もしくは妻の片働きで年収1,200万円以上の場合は児童手当はもらえないことに。
日本は累進課税制度なので、所得が多いほど多くの税金を納めることになりますし、高所得の場合、高校無償化など各種助成の対象外となるケースも少なくありません。今回の改正で児童手当も廃止となると、さらに家計負担は増えることになります。