はじめに

新NISAは2階建て

NISAは毎年毎年、新しい口座を設定します。その口座の中で投資をし、得た利益がすべて非課税というのがNISAの特徴です。

現行NISAは、毎年の口座で投資できる金額が120万円までとなっています。1年間のうち、この金額を上回ることもできませんし、余ったとしても次の年に開設される口座に持ち越しもできません。またこの口座で購入できる投資商品は、上場株式、ETF、投資信託、REITといったものとなっています。

さて新NISAになると、投資枠が年間20万円と102万円の二つの枠に分割されます。合計122万円になるので、全体で投資できる金額は現行より2万円増えますが、一つの口座が二つの特徴を持つことになるので注意が必要です。

これを金融庁では、「2階建て」と表現しています。1階部分は、現行の「つみたてNISA」と同じルールを設け、これまでのNISAと同様に投資が行える部分は2階部分のみとなります。当然1階を通らなければ2階に行けませんから、「全ての人がつみたてNISAを行うこと」を義務付けたともいえるのが新NISAなのです。

つみたてNISAが必ず組み込まれる

2018年にできたつみたてNISAは、非課税期間を20年、投資商品は金融庁が選定した投資信託のみとしたところが特徴です。また投資方法も積立一択とし、NISAのように一括投資を認めません。これも、長期・積立・分散の3原則にのっとった資産形成を根付かせるためのテンプレートと言えます。

そして新NISAには、このつみたてNISAが1階部分に設置されます。つみたてNISAに選定された投資信託のみを積立で購入する設定をして、初めて2階に上がれるようになるのです。特例的に、過去NISA口座で投資経験がある方は、2階のみを使うことを認めますが、そうなると投資できる枠が102万円に限定されてしまいます。

2階部分はこれまでのNISAとほぼ仕組みは同じです。上場株式を買いたいという方はここで買い付けを行います。もちろん2階部分も利用して、つみたてNISA銘柄を購入するのも可能です。

これまでNISAを活用していた方の中には、新NISAの枠をロールオーバーに使いたいというケースもあるでしょう。ロールオーバーというのは、非課税期間終了時にそれまで運用していた金融商品を新しい年の非課税枠に移し運用を継続することです。

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