はじめに

国民年金保険料を未納にするとどうなる?

国民年金保険料を未納にしている約115万人の方には、次の3つのことが起こる、または起こる可能性があります。

1:老後の年金が減る

国民年金保険料を40年間(480か月)納付すると、原則65歳から満額の老齢基礎年金がもらえます。老齢基礎年金の満額は年77万7800円(2022年度)です。しかし、未納の期間があれば、その分減額されてしまいます。

仮に国民年金保険料を1年間未納にすると、受け取れる年金額は2万円近く減ります。さらに、老齢基礎年金の受給資格は、国民年金保険料の納付期間が10年以上あることが条件なので、ずっと未納の場合、年金がゼロになってしまいます。

2:障害年金や遺族年金がもらえない可能性

国民年金には、老齢基礎年金のほかに、病気やケガで障害を負ったときに受け取れる「障害基礎年金」、亡くなったときに遺族に支払われる「遺族基礎年金」もあります。障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取るには、全加入期間の3分の2以上の納付済期間が必要です(2026年3月末までは、直近1年の保険料が納められていれば受け取れる特例あり)。国民年金保険料を未納にすると、これらも受け取れなくなる可能性があります。

3:財産を差し押さえられる

国民年金の加入は「義務」です。したがって、国民年金保険料を支払わないと最終的には財産の差し押さえが行われます。

国民年金保険料を支払わないでいると、まず「納付勧奨」といって、はがき(国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状))で保険料支払いのお知らせが届きます。ここで手元の納付書を使って納めればまだいいのですが、払わないでいると電話や個別訪問での催促も行われます。

さらに払わないでいると、「特別催告状」「最終催告状」「督促状」と、徐々に強い警告の封書が届きます。督促状で指定する期限よりも後に国民年金保険料を支払う場合には、所定の延滞金も発生します。
そして、督促状にも従わずに支払いをしなかった場合、「強制徴収」が行われます。年金機構職員が銀行口座、有価証券、自動車などの財産を調査・差し押さえ、強制的に保険料を徴収するのです。

強制徴収は所得300万円以上、未納月数7か月以上の方が対象です。2020年度は新型コロナウイルスの関係で強制徴収の手続きや個別訪問が停止されていましたが、2019年度は督促状が8万9,615件送られ、財産差し押さえが2万590件発生しています。

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