はじめに

年収を減らしても厚生年金には加入しておくこと

まず、将来の年金のことを考えるにあたって、今後も働く際は厚生年金には加入しておきたいところです。正社員から契約社員・派遣社員に変更すると働き方を変えることになりますが、正社員でなくても、フルタイムの4分の3以上の勤務時間・勤務日数であれば厚生年金に加入できます。また、4分の3未満でも、週20時間以上で従業員501人以上(2022年10月からは101人以上、2024年10月からは51人以上)の企業に勤務するなど、一定の条件を満たした場合でも加入することになります。

厚生年金に加入すると、「2階建て」で、公的年金を増やすことができます。国民年金のみの場合(第1号被保険者となる場合)は国民年金保険料(2022年度:月額1万6,590円)を納めて老齢基礎年金(2階建ての1階部分)のみ増やせるところ、厚生年金加入では、老齢基礎年金が確保されるだけでなく、さらに2階部分の老齢厚生年金を増やすことができます。

年収が減ると、将来の老齢厚生年金はいくら減る?

将来65歳から生涯受けられる老齢基礎年金と老齢厚生年金のうち、老齢厚生年金は報酬比例制の年金となっています。給与や賞与が高いと厚生年金保険料の額も高くなりますが、その分将来受け取る年金額が高くなる仕組みとなっています。まさに、報酬に比例する年金です。

勤務時間を減らすと給与も賞与も減ることになりますが、その結果、保険料が下がる一方、将来の老齢厚生年金もあまり増えないことになります。

現在の年収は700万円、これを500万円まで落とす場合、年金の計算で用いる標準報酬月額では59万円(報酬月額が57万5,000円以上、60万5,000円未満の人が対象)から41万円(報酬月額が39万5,000円以上42万5,000円未満の人が対象)になります。59万円から41万円に下がったまま、40歳から65歳まで25年厚生年金に加入し続けると、65歳からの老齢厚生年金は年額で28万円くらい少なくなってしまいます(※2022年度の再評価率を用いて計算)。月額では2万円強少なくなる計算で、これが一生涯続くとなると不安が残るかもしれません。

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