はじめに

隠れた支出を洗い出し、赤字家計の実態を把握

今回のご相談を拝見して、まだ家計の赤字具合を正確に把握できていないと感じました。そこで最初に、家計の状況を確認していきます。

毎月の収入は15万円。内訳は以下の通りです。

◆妻(会社員・ご相談者さん):手取り12万円。
◆夫(会社経営・副業あり):副業10万円-事業の赤字補填7万円=3万円

毎月の支出は18万7,000円。内訳は以下の通りです。

◆住居費:8万円
◆食費:5万4,000円
◆水道光熱費:1万2,000円
◆教育費:0円
◆保険料:2万1,000円
◆通信費:8,000円
◆車両費:2,000円
◆お小遣い:0円
◆その他:1万円

一見、無駄のないシンプルな家計です。しかし、数字が美しすぎるという印象を持ちました。ポイントは「お小遣いが0円」なこと。洋服や化粧品代、美容院代、ランチやカフェ代、病院代、本や映画代など、日々の暮らしではこまごまとした出費がつきものですが、そのあたりが見えてきません。ご家庭によっては本当にそうした支出がない場合もありますが、愛犬に200万円の治療費を払い、夫さんが起業するというご相談者さんの場合、それなりに暮らしを楽しむ支出もあるのではないでしょうか。

「その他」1万円では回収しきれない支出があるとすれば、それが使途不明金になっている可能性があります。もしくは、「食費」5万4,000円と、夫さんの「赤字補填」7万円が、さまざまな個人的支出の隠れ蓑になっている可能性があります。いま一度確認してみてください。

ボーナス50万円の使い道はどうなっている?

続いて、年間50万円あるボーナスの使い道を確認します。使い道は以下の通りです。

◆月々の赤字補填
◆犬の通院費
◆固定資産税(8万6,000円)
◆自動車税(1万3,000円)

しかし、これ以外にも実際はボーナス支出がありそうです。例えば、住宅ローンは月々8万円のほかにもボーナス時に16万円返済しています。夏冬のボーナス月に、毎月の返済に加えて8万円ずつ上乗せして支払っているとすると、ボーナスから年間16万円住宅ローンの返済に回ります。

そのほか自動車もお持ちのようですね。毎月の車両費は2,000円とわずかです。これがガソリン代だと考えると、駐車場代などはかかっていないようです。ボーナスから支払っている自動車税は年間1万3,000円ですから軽自動車のようですね。しかし、車を持っている以上、ガソリン代以外にも、車検代やメンテナンス費、自動車保険代はかかってきます。実際のところは、月々の車両費2,000円以外にも、車両費として年間10万円くらいはかかっているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

以上をふまえて、ボーナスからの支出をまとめると以下のようになります。

◆月々の赤字補填(3万7,000円×12): 44万4000円
◆犬の通院費:200万円
◆固定資産税:8万6,000円
◆車両費(自動車税1万3,000円+α):10万円

ボーナスは50万円ですが、合計の支出は263万円。これではあっという間にお金が消えてなくなります。

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