はじめに

法人化するどうかの判断は「信用力」と「節税」

では、個人事業主・フリーランスと法人、どちらを選ぶべきかですが、まずはスモールスタートが基本ですので、個人事業主・フリーランスでスタートしてはいかがでしょうか。

個人事業主・フリーランスはすぐにスタートできますし、初期費用もかかりません。所得が少ないうちは、法人よりも税金・社会保険料を抑えることができます。事業が軌道に乗ってきたら、法人化するという具合です。

法人化して得られるメリットは大きく2つあります。一つは事業の信用が高まることです。取引先を増やしたいと思っても、取引先を法人に限定している企業もあります。また、法人化すると、金融機関の融資を受けやすくなります。

もう一つのメリットは、節税につながる可能性があることです。このメリットはとくに大きいです。ポイントは5つあります。

1つ目は、先に説明した所得税と法人税の税率の違いです。所得金額によっては税負担が減少します。

2つ目は、給与や退職金の扱いの違いです。法人化することで、本人の報酬に対する給与所得控除が活用できます。家族従業員や本人への退職金分について所得を減らすことができるようになります。

3つ目は、社会保険料です。まず社会保険料は会社が折半するので、個人事業主よりも負担が少なくて済みます。個人事業主でも国民健康保険料は負担しないといけません。法人化して厚生年金に加入すれば、将来の年金を増やすこともできます。

4つ目は、生命保険料です。個人事業主・フリーランスの場合は生命保険料を必要経費とすることはできず、所得控除の生命保険料控除を活用しての節税が許されているだけです。法人化して法人契約で掛け捨て保険などに加入すれば、基本的には保険料の分だけ法人所得を減らせます。

5つ目は、欠損金の繰越です。個人事業主・フリーランスの場合、赤字は3年しか繰り越せませんが、法人の場合は10年間繰り越せます。

クレカや銀行、ポイント等を連携して見える化!資産管理もできるマネーフォワード MEプレミアムサービス[by MoneyForward]