はじめに

老後資金は準備できる?

では、上記の教育資金を踏まえて、老後資金が準備できるのかどうかを貯蓄状況から見てみましょう。

貯蓄の状況を見ていると、現在は、毎月7万円貯蓄ができ、ボーナスからも年間80万円貯蓄できているようです。長男の大学院卒業までは現在の働き方を続ける予定ですから、長男の学費を準備している400万円でほぼ賄うことができれば、4年間はこの貯蓄のペースを続けることができると想定されます。となると、

毎月の貯蓄:7万円×12ヶ月×4年間=336万円
ボーナスからの貯蓄:80万円×4年間=320万円

合計656万円貯蓄できることに。繰り上げ返済の費用や車の買い替えの資金も捻出できそうです。

よほどの大きなプラン変更がなければ、老後の資金も準備可能

加えて、夫が45歳からiDeCoに加入しています。仮に45歳から60歳まで毎月2万3,000円の掛け金を年利4%で運用することができれば、約560万円になります。さらにiDeCoは、所得税、住民税も安くなる効果があります。夫が65歳まで継続して企業で勤務すれば、今年の5月からiDeCoは65歳まで加入できることになりました。夫が65歳までiDeCoに加入したとすると、運用期間は20年となります。毎月2万3,000円の掛け金を年利4%で20年間運用することができれば、約840万円となります。ご夫婦で年金型の変額保険にも加入されているので、こちらの分も加えることができますね。

また、上記の運用資産の他に、現在貯蓄金額が1,500万円とのこと(長男のために準備された400万円は別に準備できているものとして含んでいません)。仮にご相談者さんが働き方を変えて、貯蓄がほとんどできない状態になったとしても、現在の貯蓄に手をつけずに試算通りにいけば、老後のお金も準備できそうです。実際には、夫のボーナスや毎月の家計からも貯蓄できると思いますので、よほどの大きなプランの変更がない限りは、今の堅実な暮らしを続けていけば大丈夫でしょう。

とはいえ、お子さんの想定外の進学は、家計への影響が大きいことは事実。次男の場合も想定外の進学があるかもしれないと思い、シミュレーションをしてみてもよいかもしれませんね。今回のご回答がご相談者さんのご参考になれば嬉しいです。

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