はじめに

市場の値下がりにはどう対処したらいい?

もっとも、米国株が有望といっても、2022年は冴えない展開を見せています。特に今後、円高に転じたときには、円高による海外資産の目減りと株価下落による損失の両方が同時に起こる可能性が高いでしょう。円ベースで見ると大きな値下がり局面で、一時的に大きく資産が減ることも十分考えられます。

しかし、そうした値下がり局面がやってきても、これまで同様、長期積立投資を続けていきましょう。値動きのある商品を一定額ずつ積立購入すると、徐々に商品の平均購入単価を下げられる「ドルコスト平均法」の効果が得られます。商品の平均購入単価を下げられれば、少しの値上がりでも利益を出せるようになります。

もっとも、自分のリスク許容度に見合わない投資をしているようだと、日々の値動きが気になってしまい、落ち着いて投資を続けられなくなってしまいます。長く投資を続けるためにも、家計に無理のない積立金額で積み立てを行うこと、そしてリスク許容度にあった投資信託に変更することが大切です。

米国株投信の値動きが激しくて精神的に厳しい……という場合は、全世界株や先進国株といった、米国以外の国にも幅広く投資する投信を購入すると、より多くの国に分散投資できるため、リスクの低減に役立ちます。国内株の投信も同様で、米国株投信よりもリスクは控えめです。また、複数の資産に投資するバランス型投信で、債券にも投資している商品を選ぶことでも、リスクを下げることができます。


「円安でも投資を続けるべきか」と「S&P500に投資を続けるべきか」。2つの問いを通じて、円安でもS&P500への投資を続けるべきかを考えてきました。そして、長期間投資を続けると為替レートの動向に関係なく利益を出せるようになることと、米国はこれからも投資先として有望であり続けることを紹介しました。目先の値動きにとらわれず、長期的な視点をもって、資産形成に取り組んでいきましょう。

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