はじめに

為替予想と需給の関係

金利と為替相場という話が出てきたので、ここで、少し立ち止まり、為替相場を決める需要(買い)と供給(売り)の関係について整理してみたいと思います。

為替相場も、基本的には買い(需要)と売り(供給)の差し引きの結果で決まります。ところでこの為替需給は、基本的には経常需給と資本需給に大別されます。前者は輸出入など貿易収支などが中心です。これに対して後者は国境を超えて行われる株式や債券などへの投資、つまり資本収支などが中心です。

ただ、世界的な資本取引の急拡大により、いまや経常需給より資本需給が圧倒的に多くなっています。為替相場は経常需給と資本需給で決まるが、資本需給が圧倒的に大きいといった意味では、かなりの割合、資本需給で為替相場は決まるという構図になっているでしょう。

資本需給は、すでに述べたように国境を越えた資本移動が基本です。この資本移動の一番の目安になるのが金利でしょう。資本は低い金利の国から高い金利の国へ流れやすい−−そう考えると、為替相場がかなりの割合、金利差で決まるのは当然ということではないでしょうか。

そしてリスクオン、つまり株式などのリスク資産を選好する、またはその逆にリスク資産を回避するということも、資本移動の大きな一翼を担うようになっています。以上のように考えると、政治、経済、安全保障など「森羅万象」がもたらす金利や株価の変化に伴う資本移動の結果が為替相場といった位置付けが基本になるでしょう。

つまり、これを簡単な言い方にすると、米ドル/円などの為替相場は金利と株でかなりの割合説明できる、ということになります。

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