はじめに
出産前の家計はとても優秀
現在の家計は優秀です。
毎月の手取り収入の3割近くを貯蓄し、使途不明金の2万円はおそらく投資に回っているのではないかと思われます。ボーナスを含む年間の手取り額の約37%が貯蓄で、資産は3,000万円。車を持たず、無駄遣いをしている様子もありません。
気になるのは2点。
夫婦2人で食費が7万円というのは、少々多めの印象です。ただ、出産を控えている妻の家事負担の軽減のため、たまたま外食が多い可能性もあります。今のところ、それほど大きな問題ではないでしょう。
小遣いは、夫婦とも記載がありませんでした。本当に各自が家計と切り離して自由に使うお金がゼロなのか、小遣いを生活費に紛れ込ませているのかは、はっきりさせるほうがいいでしょう。今後、家計のやりくりが必要になった時、お金の使い道がわからないと、どこを引き締めていいか判断する材料がないことになってしまうからです。
出産後の子ども費、「これだけ」か「こんなに」か
子どもにかかるお金のうち、教育費については公的なデータがありますが、食費や被服費についての「これ」というものは見当たりません。
家計簿をつけている家庭であっても、食費について、家族1人分の金額を把握していることは、まず、ありません。全体の食費を家族数で除し、1人あたりの金額を算出することは可能ですが、子ども同士でも食べる量の違いを考慮して、〇ちゃんはいくら、□ちゃんはいくらというふうにはわからないものです。
夫婦2人に子どもが1人増えた場合も同様です。人数が1.5倍になったから、どの費目も1.5倍になるというかというと、そうではありません。出産前に、出産後の家計の姿を予想することは簡単ではないでしょう。
日用品の中に、これまでは無かったおむつ代が加わり、子どものために食材の安全度を高めようとすると家族全員分の食費が上がったり、快適性を求めて車を買い替えて一時的な支出が増えて維持費も上がったり、洗濯の回数が増えて水道代が上がったりします。
一方、子どもと過ごす時間が増えて、趣味や人に会う時間が減って、小遣いや交際費は減るかもしれません。
出産後、実際に子どもを育てていく中で、わが家なりの子育て費がわかっていくわけですが、その金額が「なんだ、これくらいか」になるのか、「こんなにかかるの?」と感じるのかは家庭によって異なります。
子どもが増えることによって、家族のライフプランは変わっていきます。将来、必要とする金額も変わり、通常は増えていきます。将来を見通し、預貯金計画を堅実なものにしていきましょう。