はじめに

国民年金と厚生年金でルールが異なる遺族年金の制度

ご存じのように、ご相談者は老齢厚生年金を受け取れますが、個人事業主(自営業)であった夫は加入していないため受給もありません。

そして、遺族年金の制度は国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)、それぞれに存在し、別々のルールで運用されています。

【国民年金の遺族年金「遺族基礎年金」】
国民年金の遺族年金は「遺族基礎年金」と呼ばれ、制度の概要は下記の通りです。

◆受給対象者は「子」、または「子のある配偶者」(ここでいう「子」は、18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人を指します)
◆受給金額は77万7,800円+子の加算額(1人目および2人目の子の加算額は各22万3,800円、3人目以降の子の加算額は各7万4,600円)

【厚生年金の遺族年金「遺族厚生年金」】
厚生年金の遺族年金は「遺族厚生年金」と呼ばれ、その制度の概要は下記の通りです。

◆受給対象者は死亡した方の遺族で、死亡した方に生計を維持されていた人のうち、下記の順番で最も優先度の高い方。なお、遺族基礎年金との重複受給は可能です。

(1)妻
(2)子(子の定義は、遺族基礎年金と同じ)
(3)夫(死亡当時に55歳以上の場合)
(4)父母(死亡当時に55歳以上の場合)
(5)孫(子の場合と年齢要件などの定義は同じ)
(6)祖父母(死亡当時に55歳以上の場合)

◆受給金額は、老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となります。

※65歳以上で老齢厚生(退職共済)年金を受け取る権利がある人が、配偶者の死亡による遺族厚生年金を受け取るときは、「死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と「死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額と自身の老齢厚生(退職共済)年金の額の2分の1の額を合算した額」を比較し、高い方の額が遺族厚生年金の額となります。

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