はじめに
今回のケースで夫は遺族年金を受け取れる?
◆遺族基礎年金
今回のご相談者のご夫妻のお子様たちは成人済みであり、そのためご相談者の夫は遺族基礎年金の対象となりません。
◆遺族厚生年金
遺族厚生年金は夫よりも優先度の高い対象となる18歳未満の子供がいないので、夫が受給することが可能です。受給額は、老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3と、夫が受け取れる老齢厚生年金の報酬比例部分との差額になります。夫はずっと個人事業主でしたから老齢厚生年金を受け取れないため、差額を考える必要はなく、ご相談者の報酬比例部分の4分の3と理解していただければ大丈夫です。
なお報酬比例部分がいくらかは、年金定期便に記載されていますので正確にはそちらをご確認いただきたいのですが、仮に170万円中100万円が報酬比例部分とすると、100万円の4分の3である75万円が、夫が毎年受け取れる遺族年金の金額になります。
また受給開始は60歳からとなります。ただし遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、55歳から60歳の間であっても遺族厚生年金を受給できます。今回は遺族基礎年金が無いので55歳から60歳の間というのは関係なく、夫は60歳以降に遺族厚生年金を受け取れます。