はじめに
ムダがなくご家族全体として良質な家計収支
まずは家計の収支から全体像をチェックしていきましょう。
◆毎月の支出22万円+貯金15万円=合計 37万円
◆毎月の収入=38万円(最少額、家賃収入は含めない)
プロフィールや資産状況などを拝見すると、ご相談者さまの負債総額はゼロで、住宅ローンなどの借り入れもないとのことです。
また、毎月の貯金も努力されている印象を受けます。会社役員とのことですが、ボーナスがないことから、家業あるいはスモールビジネスの経営に関わっているようですね。
妻の手取りはパート等の収入でしょうか、その分は丸々家計のお小遣い、あるいは臨時出費などに充当されているのでしょう。一般的にはお手本となるような家計収支の一例でしょう。
まずは毎月15万円貯金されている現状から、さらにいくらくらいの貯金額の上乗せを狙っていくのかライフプランを立てることから始めましょう。いったんここでは割愛しますが、このプランをしっかり立てておくと、後述の運用先を考える際に、ご相談者さまの意思・意図から大きくブレずにキャッシュフローを改善しやすくなります。
所有している不動産を今後所有し続けるのかの決断を
お子さんが2人で、それぞれ小学生前後ですから、まだすぐに大きな教育費がかかる状況ではありませんし、現状の貯金総額も比較的多く準備されているため、目先の家計には十分な余裕があります。将来のお子さんの選択肢を広げるためにも、家計のキャッシュフローを改善する準備をしておくと良いでしょう。
そこでまず気になるのが、家賃収入が30〜40万円あるものの、その家賃収入はすべて修繕積立てにまわされているという点です。
不動産は住居と投資用と両方をお持ちのようですが、ご実家が地主でいらっしゃるか、ある程度の資産家であるか、もともとご実家が関わっている物件なのかもしれません。修繕積立の金額や家賃収入から逆算していくと、築年数がそれなりに経っているか、それほど高収益ではない賃貸物件を保有されている可能性もあります。
これらの物件を今後どうしていきたいのかを、まず考えていただきたいです。どうしても手放せない物件なのか、賃貸物件として継続的に収益化が見込めるものなのか、もう一度見直してみると良いでしょう。
投資用物件を保有されているのであれば、より賃貸需要の旺盛な地域で、賃貸マーケットがしっかりしている収益物件にシフトしていくという手も考えられます。