はじめに

同時に資産形成として積み立て投資の活用も

また不動産以外の運用先として、同時に資産形成を進めていく必要もあります。積み立て投資による資産形成は、より長い積み立て期間を確保する、つまり早く積み立てをスタートさせることが最も効率的になります。

投資総額200万円と、貯金総額1,700万円、毎月の貯金額15万円という現状を考慮すると、毎月10~20万円ほどで積み立てを始めておくと、家計に負担のない範囲内で資産形成をすることができるでしょう。

現在の投資先の資産状況も踏まえながら、余裕資金の運用先を銀行預金などの現金だけでなく、リスク資産への投資も含めて、総合的に検討されていくと良いでしょう。

その際、特に優先的にご検討いただきたいのが「企業型DC」(企業型確定拠出年金)です。企業型DCは企業年金のひとつですが、中小企業にとっては「手取りと退職金を増やせるしくみ」です。会社が安定的に黒字状態を維持できているかなどにもよりますが、税制優遇などを活用しながら、効率よく老後資金を貯められますので、中小企業にとっては特に活用しやすいでしょう。

今後10~15年先までのキャッシュフローがポイント

ご相談者さまの場合、公的年金の受取見込み額がご夫婦で16~18万円ですから、現状では良いペースで増えつつあります。また現状の家計収支や、上のお子さんが高校生になるまであと10年ほどあることを考えると、いますぐに大きな出費は想定しづらいです。

老後生活に対するお考えを踏まえながら、今後10年ほどの間に、将来的なライフプランやキャッシュフロー計画をひとまず仮決めしておいて、その目標に向かって調整しながら動き出すチャンスでもあります。

非常に恵まれている家計と想定されるとはいえ、ご相談者さまの本業の会社役員としての収入を今後増やせていけるのかという点は少し気になります。

そもそものご相談内容としては手持ち資金の運用先のお悩みでしたが、より包括的な視点で、ライフプランを総合的に考えてみることが大切です。ご相談者さまとご家庭のライフプランにおいて、比較的余裕があると想定されるいまがまさに適切なタイミングともいえるでしょう。

ぜひ専門家の方などとじっくり話し合いながら、今後のライフプランを充実させていってください。

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