はじめに

英ポンドの注目材料

さて、「スターリング」、英ポンドのもう一つよく知られた特徴は原油相場の影響も受けるということです。これは、北海にある油田、北海油田の大半が英国とノルウェーの経済水域の境界線付近にあることから、原油価格の変動が英ポンドに影響することもあるからです。その意味では、英ポンドは産油国通貨や資源国通貨といった側面も一部に持ち合わせているわけです。

さて、最後にそんな英ポンドを取引する上での注目材料について確認したいと思います。中央銀行は、一般的に「通貨の番人」と呼ばれます。その意味では、「英ポンドの番人」は、これまでの説明にもあったBOE、イングランド銀行になりますので、そんなBOEが定期的に行う金融政策会合は注目イベントの一つです。この金融政策会合は、原則的に1ヵ月半の間隔をあけて木曜日に行われます。

英ポンドに影響する英国の経済指標は、時差の関係で日本時間の18時半に発表されるケースが多くなっています。やはり時差の関係で、米国の経済指標発表は、日本時間の深夜近くになるケースが多いことに比べると、日本人の生活時間帯で比較的取引しやすいとの考え方も可能かもしれません。

そしてBrexit、EU離脱となったものの、EU関係のイベントで英国との「特殊な関係」を議論することもまだまだ多いため、EU諸国の首脳が会合するEUサミットや、EU大臣会合といったイベントも英ポンドの変動リスクに影響するケースはまだまだ多いようです。

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