はじめに
現在の家計を見直して無駄な支出を減らす
同時に、現在の家計を見直して少しでも支出を減らしておくようにしましょう。スマホの契約を大手キャリアから格安スマホへの乗り換えると、夫婦2人で月に1万円程度削減できる場合もあります。
また、若いころに入った生命保険を見直すことも有効です。今後のライフプランやご自身の状態を鑑みて、不要な保障があれば削減し、医療や介護などへの備えが十分か、この機会に確認しておきましょう。
電気や都市ガスの会社を自由に選べる地域の方は、料金を見積もって安いところへ乗り換える方法もあります。会社によって、ポイント還元や割引特典などを受けられる場合もあり、プラスαのメリットがあるかもしれません。
これらの節約を行い、例えば合わせて月1万円節約できると、25年間で300万円もの差が出てきます。少しずつの積み重ねが老後の生活には大きく影響するということです。
副業や夫婦で収入を増やす方法を検討
転職で収入が減る場合、可能なら副業OKの勤務先を選べば収入減を補うことができます。月に数万円でも収入を得られれば、退職後の収入にもつながりそうです。
また、配偶者の収入アップも検討してみましょう。パートやアルバイトで働く場合でも、一般従業員の4分の3以上の労働時間、労働日数があれば社会保険に加入できますが、それより短い労働時間でも、従業員(短時間労働者を除く)が常時500人を超える事業所では、下記の条件を満たせば厚生年金に加入できます(2022年7月現在)。
(1)週の所定労働時間が20時間以上であること
(2)雇用期間が1年以上見込まれること
(3)賃金の月額が88,000円以上であること
(4)(昼間の)学生でないこと
2022年10月以降は、この条件のうち、(2)の雇用期間が「1年以上」から「2ヵ月以上」に緩和されます。さらに適用される事業所の従業員の数が「常時500人を超える」から「常時100人を超える」に拡大されますので、これまで対象外だった方も働き方は同じでも加入できる可能性があります。
社会保険(厚生年金)に加入して働くと、保険料を払わなければならないと思うかもしれませんが、半分は会社が負担してくれて、配偶者自身の老後の年金も増やすことができます。あえて配偶者が厚生年金に加入しないように調整して扶養内で働くより、可能ならば世帯全体での収入を増やす方法を検討してみても良いでしょう。