はじめに
働く期間を延ばすことも有効
現在、多くの企業では再雇用や定年延長などで60歳以降も65歳程度まで同じ会社で働くことができるようになっていることが一般的ですが、2013年の「高年齢者雇用安定法」改正により、2025年4月以降は全ての企業で定年が65歳以上に義務付けられます(現在は経過措置中)。
それでもあえて転職という道を選ぶなら、65歳といわず、なるべく長く働くという選択肢もあります。収入が減ったとしても長く働くことができればその分をカバーできますので、老後の生活の安定につながります。
企業年金は転職先の企業年金やiDeCoに移管可能
老後資金を考える場合、退職金が大きな割合を占めるケースも多いでしょう。企業の退職金制度によっては、転職の際に一時金として退職金を支給する会社もあります。一時金としてもらった場合には、生活費として使ってしまうことのないよう、適切に運用しながら老後資金として確保しておきましょう。
また、確定拠出企業年金(企業型DC)や確定給付企業年金(DB)などの企業年金は、転職先の企業年金制度に移管できるようになっています。これまで、企業型DCの制度がある会社員は、iDeCoに同時加入することが難しかったのですが、2022年10月以降は基本的に同時加入できるように改正されますので、さらに老後資金を増やすことも可能です。
企業型DCの移管は前職の企業年金の加入者資格を喪失した日(退職日の翌日)が属する月の翌月から起算して6ヵ月以内に行う必要があります。すぐに転職先が決まらない場合には、自分で個人型確定拠出年金(iDeCo)へ移管しておくようにしましょう。
また、転職先に企業年金制度がない場合も、個人型確定拠出年金(iDeCo)に移管するようにしましょう。iDeCoを始める場合は自分で金融機関や運用商品を選択するなどの手続きが必要になります。普段利用している金融機関でもよいですし、ネットで資料請求ができる金融機関もあります。手数料の違いや運用商品の数などを比較して選ぶようにしましょう。
50代の転職は、総合的な対策で老後資金不足を防ぐ
50代での転職は、老後も間近に控えて不安な部分もあると思いますが、これまで述べてきたような対策など、できることを早めに行うことで老後資金不足を防ぐことは十分可能です。また、家族の協力も必要となります。
人生100年時代、今後のライフプランについて家族で十分に検討して新たなステージに進みましょう。