はじめに
算出方法の違いが日経平均に与える影響
日経平均株価の採用銘柄は、昨年から算出方法に「株価換算係数」を導入しました。旧来の「みなし額面」では、平均株価を算出する際に株価水準を調整するために、すべての株式を50円の額面に換算して計算していました。一方、「株価換算係数」では、採用銘柄の株価が著しく高い場合に0.1から0.9の間で係数を設定し、株価水準の違いを調整します。
日経平均株価の225銘柄は定期的に入れ替えが行われますが、銘柄の構成比率(ウエート)が過度に高くならないようにするという決まりがあります。「みなし額面」では、1単元あたりの株価水準が高い「値がさ株」を組み入れるとウエートが大きくなるため、新たに採用しづらかったのです。
「株価換算係数」の導入により、任天堂(7974)や日本電産(6594)といった日本を代表する企業も名を連ねるようになりましたが、改定以前に採用されている銘柄群に対しては、これまでと同様の措置が講じられており、ファーストリテや東京エレク、2019年6月に株式分割したソフトバンクG(9984)などの「値がさ株」や「みなし額面」の大きな企業による株価の乱高下によって日経平均株価は左右されやすくなっています。
因みに、先週末の日経平均株価に対する構成比率は、ファーストリテが10.43%、東京エレクが6.09%、ソフトバンクGが4.23%と3社で20.75%を占めています。
日経平均株価が大幅に上昇しても、持ち株が全く反応していない時は、上記の銘柄などだけが上昇している、という背景がある事を覚えておくとよいと思います。