はじめに
つみたてNISA基準で選ぶ
金融庁が長期運用に適した投資信託のみをセレクトしたつみたてNISA専用の投資信託は、徹底的にコストにこだわった商品と言えます。
例えば販売手数料はすべての商品がゼロ円です。これは通常3%以上に設定されることが多いアクティブファンドであっても例外を許さず、全商品ゼロ円です。前述した通り、販売手数料を積立の度に負担するということは、それだけで投資効率が下がりますから、投資家としてはコストはできるだけ排除したいものです。
また信託報酬も、国内資産を対象とするインデックスファンドであれば0.5%以下、海外資産を対象とするインデックスファンドであれば0.75%以下と決まっています。つまり、これが長期資産形成におけるスタンダードと心得、たとえ課税口座での購入であったとしてもこの信託報酬を基準に選ぶ目安とするべき、ということです。
一方で同じ指数をベンチマークとするインデックスファンドであっても、その信託報酬に結構差があることもあるので注意が必要です。それはつみたてNISAに設定されているものの中でもあります。
例えば、日本の株式市場に投資をする投資信託でベンチマークがTOPIXまたは日経225に連動するものであれば、最も信託報酬が安いもので0.14%、最も信託報酬が高いもので0.55%と0.41%も開きがあることがわかります。
MSCIコクサイに連動する外国株式インデックスファンドであっても、信託報酬が最も低いものが0.1%であるのに対し、最も高いものは0.66%です。長期視点で考えると、この0.56%や先ほどの0.41%という開きは、決して小さいとは言えないでしょう。
市場の動きに連動する運用を目指すインデックスファンドであれば、ファンドのパフォーマンスに差がつきにくく、結果、信託報酬が高ければその分投資家利益が少なくなることを意味します。特に設定から時間が経った投資信託の信託報酬は高い傾向があります。
最近は、指数に連動してわかりやすい、低コストで運用ができるとインデックスファンドが人気傾向にありますが、インデックスファンドだから低コストなのだと思い込むのは良くありません。