はじめに

犬を愛するご相談者さんの家計をチェック

毎月の手取り月収は32万円、年間の手取りボーナスは55万円。手取り年収の合計は、32万円×12か月+55万円=439万円です。

一方、毎月の支出は21万円。内訳は以下の通りです。

住居費:9万円
食費:3万円
水道光熱費:1万円
通信費:1万円
お小遣い:2万円
その他:5万円
合計:21万円

住居費率が手取り月収の28%とやや高めで目立つものの、支出合計は手取り月収の65%に抑えられているコンパクトな家計です。さらに、ボーナスは年間55万円あるものの、ボーナスからの支出は無いため、年間の支出は21万円×12か月=252万円になります。

1年間を通してみると、439万円-252万円=187万円の貯蓄ができている計算になります。貯蓄率は43%です。収入に対して少し高すぎる気もします。この数字が正しければとても優秀な家計なのですが、ボーナス支出がなく、ペットを飼っているのにペット費もかかれていないところを見ると、ご本人も自覚していない使途不明金がある可能性もあります。念のため、確認しておきましょう。

家計が美しすぎると思ったら、使途不明金の有無をチェック

将来の家計を考えるうえで、美しすぎる家計は要注意です。本人も認識していない使途不明金がある場合、計算上の貯蓄額と、実際の貯蓄額に食い違いが出てくることがあります。この食い違いに気づかずにそのままライフプランを実行してしまい、あとから「こんなはずではなかった」となっては困ります。現実的な数字かどうかを確認しておく必要があります。

ご相談者さんの家計を、金融資産残高からチェックしてみましょう。39歳にして、貯金が300万円、投資が3,700万円、合計で4,000万円になります。投資による損益などを考慮せず、現在の残高4,000万円を仮に20歳から19年間で貯めたとした場合、1年あたり210万円を貯めたことになります。

この1年あたり210万円という数字を見る限り、現在の家計で187万円の黒字が出ていても不思議ではありません。一見美しすぎると思った家計ですが、数字は合っていると考えられます。愛犬にまつわる支出も、毎月の家計の「その他5万円」に含まれていると思ってよさそうです。

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