はじめに
今回、1980年代前半以来、ほとんど40年ぶりに物価高と円安が並行して起こったことで、円安が物価高を後押しするとして「悪い円安」への懸念が高まり、それが逆に新たに米ドルなど外貨への投資に挑戦することを促す役割になっている面もありそうです。
人間の「性」として、同じ円安でも、それが「良い円安」とされて、既にメリットを享受しているなら、外貨投資によってさらなるメリットを追求する、それは円高によって折角の利益も減らすもリスクもありうるなら、なおさらそういった挑戦に新たに動く可能性は限られそうです。ただ、「悪い円安」でデメリットを感じることで、外貨投資で円安のメリット追求に挑戦する動きは広がっている可能性がありそうです。
私の周辺でも、喫茶店やファミレスで近くに居合わせた方々の会話の中で、「円安」を話題に会話が盛り上がっている、といったシーンを多く見聞きするようになりました。それこそはまさに、歴史的円安が、庶民生活にとって「痛み」を伴って起こったことを受けた影響、つまり円安が利益になる外貨投資への挑戦が増えていることが大きいのではないでしょうか。
ただし円安が進み、米ドルなど外貨が上昇すれば、米ドルなど外貨の側から見ると割高局面を迎えることになります。今は、そんな割高局面での米ドルなど外貨買いの基本戦略も身に付けることが求められているタイミングということでもあるのではないでしょうか。
今回は、7月末から突如起こった急激な円高を受けて、FXなど外貨投資の大きな損失に見舞われることを回避するために必要な考え方といったことについて述べてきました。
一度の失敗は仕方ないもの、ただ2回、3回と同じような失敗を繰り返すと、それは致命傷にもなりかねない。そこで、歴史的円安局面で、予め大きな損失を回避するための考え方を紹介してきましたが、参考にしていただき、長くトレードが続けられることを、心より願っています。