はじめに

バンガード社も世界分散を推奨している

世界で最初に個人向けインデックスファンドを創設したバンガード社は、「Vanguard economic and market outlook:2022」にて、今後10 年間の米国株全体の平均リターンは米国を除く世界株式の平均リターンに劣ると予測しています。具体的に言えば、米国全体の平均リターンは3.3%で、ボラティリティは16.7%。米国を除く世界株の平均リターンは6.2%、ボラティリティは18.4%としています。

また、「ヘッジファンドの帝王」と呼ばれ「オール・ウェザー戦略」や個人投資家向けの「オール・シーズンズ戦略」をつくったレイ・ダリオ氏が、新著『Principles for Dealing with the Changing World Order : Why Nations Succeed and Fail(未邦訳)』で、米国の衰退を示唆していることも見逃せません。過去何百年の歴史サイクルを踏まえ、覇権国の変遷を示し、米国の覇権が中国に取って代わられる可能性を示しています。実際、米国の過剰債務や極端な貧富の差の拡大といった問題は、米国の衰退を推進する可能性があります。

最後に、世界的な機関投資家を見ても、徐々に国際分散にシフトさせていることがわかります。イェール大学の2021年度レポートによると、国内の株式は2.25%、世界株式に11.75%と、米国の大学基金も米国株に集中させてはいません。

参照した『イェール大学流投資術』では、ポートフォリオに米国外の株式を組み入れる分散を推奨しています。外国株式のリターンと米国株式のリターンは異なる要因によって動くため、たとえ相関性が近年高まっているとしても、分散効果を発揮してくれるのです。

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