はじめに

パブコメが「国のルール」に反映されるまでの流れ

−−採⽤されるまで、どのようなフローを経ているのでしょうか?
パブコメが集められてから、結果が公示されるまでのフローの詳細は総務省行政管理局が定めています。一般的には、e-gov(電子政府の総合窓口)にて意見募集が行われ、締切後、省内の審議を経て結果公示がなされるという形が多くなっています。

−−制度が施⾏されるまでどのくらいの期間を要するのでしょうか?
パプコメは通常、30日以上の公募期間がおかれます。そして、意見提出期間の終了から政省令等を公布するまでの期間は、提出された意見の多寡によって2~14日と定められています。現在、年間1,000件以上のパブリック・コメント手続きが行われており、国民などの意見を踏まえて政省令等が(場合によっては修正がなされた上で)施行されています。

−−パブコメから政省令等が施行された事例はあるのでしょうか?
国税庁関係ですと、「『所得税基本通達の制定について』(法令解釈通達)の一部改正(案)(非常勤の消防団員が支給を受ける報酬)に対する意見公募」において、パブコメ手続を通じて提出された意見により、原案が修正されています。

−−最後に今回のパブコメが採⽤された場合、いつ頃に施⾏されるのでしょうか?
国税庁の資料によると「令和4年分以降の所得税について適用」と記載があります。そのため、遅くとも来年の所得税申告時には適用されるということになります。

副業に取り組む会社員は今後の動向に注目

前述したように、この改正案が施行されると、副業を事業として申告してきた会社員などにとっては、税負担が増える可能性があります。

来年の所得税時から適用されるとなれば、2022年内の副業の売上や経費の使い方など、考慮すべき事項も増えると予想されます。パブコメが改正案にどのような影響を及ぼすのか……副業を検討していたり、すでに取り組んでいる会社員の方々は要注目です。

なお、募集期間は8月31日(水)23時59分までです。

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