はじめに
Q.固定金利と変動金利はどう違いますか?
A.返済額が固定されるか、変動するかの違いです
固定金利は、全期間固定や10年固定など、決められた期間の間は金利が固定され、 返済額も変わらない のが特徴です。世の中の景気や政府の政策、金融機関の方針に影響されません。 一番のメリットは、毎月の返済額が変わらないので、安心して家計の計画ができることです。デメリットは変動金利に比べて設定金利が高いことです。金利が低いままずっと上がらなければ、結果として変動金利より総返済額が多くなります。
一方、変動金利は世の中の金利動向に合わせて借入金利が変動し、それに伴い返済額も変動します。メリットは 世の中の金利が上がらなければかなり安い金利で返済額も抑えられることです。 デメリットは金利が上がれば返済額が高額になっていくリスクがあることです。
どちらを選ぶかは正解がありません。未来はだれにもわからないからです。
固定と変動をミックスで借りられる金融機関もあります。例えば2500万円の借入総額のうち、1000万円は固定、残りの1500万円は変動という組み合わせです。金利が上がったら変動から繰上げ返済、金利が低いままだったら固定から繰上げ返済するというように賢く調整することも可能です。
【固定金利と変動金利】
Q.固定金利と変動金利、実際にはどちらで組む人が多いですか?
A.変動金利のほうが多いです。
ファイナンシャルプランナーさんの書いた住宅ローンの本の多くには、「借りるならば固定金利」と書いてあります。その理由は、金利が上がった時に返済額が増えて苦しくなることを避けるためというものが多いです。そして文字として残る書籍には安全な選択肢を書いておくほうがリスクがないということもあるでしょう。「フラット35」などの政府系金融機関のローンは全期間固定で借りるのが通常です。また、「金利が低い時こそ、上がる可能性があるから固定金利で組む」、逆に「金利が高い時は下がる可能性があるから変動金利で組む」というのもセオリー的には理解できますよね。
どちらを選ぶか、新築と中古では少し違いがあるかもしれませんが、「中古住宅+リノベーション」においては8割近くは変動金利で借りられているのが現実です。
なぜでしょうか? その答えは金利の推移にあります。
昭和の終わりから平成初期は金利が高く、住宅金融公庫(現「フラット35」)の5.5%を主軸にローンを組むのが主流でした。銀行の変動金利のほうが高かったからです。
しかし、それが大きく変わりました。 かなり長期にわたって低金利時代が続いています。 今では基準金利の2.475%からさらに優遇金利を上乗せして、1%を切る0.65%などの実行金利が使われています。そしてこの流れは簡単に変わりそうにないというのが変動金利で借りられる理由です。
ただし、未来はだれにも予測できません。ですから、返済に余裕があって、心配な方は安心を優先して固定金利で借りる。それ以外の方は変動金利で固定金利との返済差額を計算して、どこまで金利が上がっても固定より得かを計算したうえで判断する必要があります。簡単に以前のような金利には戻らないと考えると、私は変動金利でいいのではないかと思っています。
【変動金利と固定金利の場合】