はじめに

40代を超えると親の介護や相続に関わる人も多いことでしょう。親から相続した大きな資産の運用方法に迷いながらも適切に判断できないケースも多いように感じています。今回は相続財産の国債が満期を迎え、その後の運用にお悩みの相談事例を元にお伝えいたします。


人生の区切りとお金について考えたいアラフィフ世代は多い

筆者は日頃からファイナンシャルプランナーとして活動していますが、個別相談に来られる方の年齢層は40代後半から50代までのアラフィフ、アラカン世代が大多数を占めています。相談内容はさまざまですが、そろそろ老後に向けてお金周りを考えたいというケースがとても多いです。50代も半ばになると、家族の状況が色々と変わり、人生の区切り、いわゆるライフステージの変化を感じるからでしょうか。2019年の老後2,000万円問題は、良い意味で自分の人生に向き合うことを喚起したのかもしれません。

相談後に多くの方が口にされることがあります。「お金周りのことを色々と考えることは、これからの人生や自分がどう生きていきたいのかを考えることにつながりますね」と。ご相談に来られる方とお話をしていて感じるのは、お金について情報開示いただくことは家族や親などそこに至った経緯やご事情をお聞かせいただくケースもとても多いことです。なかには、話したくはないけれど、詳しく話して事情を理解した上で適切なアドバイスを欲している方もいらっしゃいます。このような相談の中から、今回はお父様から相続した国債の今後の運用方法についてお悩みのAさんのケースを元にお伝えします。

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