はじめに
「Axie Infinity」の失敗から学ぶPlay2Earnゲームの課題
世界的な人気を誇っていたアクシィ・インフィニティですが、今では取引高が大きく落ち込んでいます。SLPの価格は昨年7月の30円台から右肩下がりとなり、今では1SLP=1円以下となっています。AXSの価格も昨年11月のピーク時から約90%下落しています。
アクシィ・インフィニティへの熱が一気に冷めたのは、やはりゲーム内の暗号資産が下落したからです。SLPとAXSの下落によってゲームの収益性が下がり、アクシィの初期投資額を回収することができないユーザーが増えました。特にSLPについては無制限に発行され続けたため価値の希薄化が止まらず、下落時にはユーザーの撤退とともに売りが売りを呼ぶ展開となりました。
また、今年3月にはローニンネットワークにおいて暗号資産史上最大規模となる約750億円のハッキング事件が起こりました。アクシィ・インフィニティの開発元はこれほどの不正流出がありながら、ユーザーの被害額を全額補償すると発表しましたが、事件後3ヵ月間はネットワークが停止する事態となりました。
アクシィ・インフィニティはデジタル土地(LAND)やマーケットプレイスなどをローニンネットワークで展開し、現在にかけても独自のエコシステムを作ろうと開発を続けています。しかし、マーケット環境も悪化するなか一度失われた信用を取り戻すことは容易ではないでしょう。
Play2Earnゲームは新規ユーザーの参入もあって多くの人が儲かっている時は明るく見えますが、そこで流通する暗号資産が暴落するととたんに不利益を被る人が増えます。ユーザーはゲームで儲からなくなればすぐに離れてしまうため、ゲームの持続性に大きな課題を抱えています。
Play2Earnゲームはこの他にも様々な問題を抱えています。暗号資産とNFTを取り扱う以上、規制の問題も無視できないでしょう。ゲーム業界からは本来楽しむべきゲームでお金稼ぎなどけしからんという反対の声もあがっています。
Play2Earnゲームを世に知らしめるキラーコンテンツがこれから生まれるのか、引き続き注目していきたいトピックです。