はじめに
ここ数ヵ月、日用品や食料品など、さまざまなものの物価が上がってきています。そうなると気になるのが、毎月の家計。収入は変わらないのに物価が上がってしまっては、家計の見直しをしなければならなくなります。
しかし、いざ家計改善をしようとしたときに、どこから手をつけていいのかわからないということも。そこで具体的な家計改善方法とそのコツについて、ファイナンシャルプランナーの新井智美氏にお話を伺いました。
新井智美/トータルマネーコンサルタント
(保有資格)
・ファイナンシャルプランナー(CFP®)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員
コンサルタントとしての個人向け相談や、資産運用などにまつわるセミナー講師のほか、
大手金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間300本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績 は2,000本を超える。
家計改善のコツは、固定費の中でも「通信費」から考えよう
──家計改善、どこから手をつけるのがおすすめですか?
何に使ったのか、支出を明確にすることから始めることをおすすめしています。例えば、ちょっとコンビニでお金を使ったけど、それを食費ではなく、「その他」に分類している方も多いです。そのような使途不明金になっているものを明確にすることから提案しています。
その後は、やはり毎月決まってかかってくる固定費の削減が効果的ですね。ただ、固定費の削減は効果が大きいのですが、例えば家賃などは、安いところに引っ越すとしても、初期費用もかかりますし、それなりに労力もかかります。
──具体的にどのように固定費を見直していけばよいかを教えてください
通信費や光熱費のように、削減しやすいところから始めるのがよいですね。通信費や光熱費であれば、通信会社や電力会社の契約を見直したり、契約する会社自体を変更したりするのも一つの手だと思います。
ただ、ガスや電気も、夏場のように節約しにくい季節もあります。通信費は季節にあまり関係なく、節約しやすいところなので、通信費から手をつけるのはおすすめです。
あとは、キャッシュレス決済が増えてきているので、ポイントを活用するのは手ですね。例えば公共料金の支払いでクレジットカードを使うにしても、公共料金の支払いでは、ポイント還元率が下がるクレジットカードもあれば、還元率が高いクレジットカードもあります。なので、ポイント還元率をしっかり把握して、最適な支払い方法を選ぶのがよいです。
──通信費の削減によって、どの程度家計改善の効果を期待できますか?
平均して、月1,000円〜2,000円程度下がることが多いですね。年間にすると1万〜2万円程度になるので、効果は大きいと思います。通信費の場合、半額まで下がった事例もあるので、見直しをしたときの効果は高いです。